テレビをつけて流れてこない日はないほど、国民的キャラクターとして定着したソフトバンクのCM「白戸家」シリーズ。真っ白な毛並みと凛々しい顔立ち、そしてどこか哀愁漂う佇まいで家族の真ん中に座る「お父さん」の姿は、2007年の放送開始から世代を超えて親しまれています。
あの愛らしい姿を見て「白柴(白い柴犬)だろう」と思い込んでいる人は少なくありません。ところが実際の犬種は、柴犬とは歴史もルーツも異なる希少な日本犬です。初代お父さんを務めた名優犬の歩みや後継犬たちの系譜、さらにはあの重厚な声にまつわるキャスティングの舞台裏まで、知られざる真実を紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:お父さんの犬種は柴犬ではなく、国の天然記念物に指定されている「北海道犬(アイヌ犬)」。
- 要点2:初代お父さん犬「カイくん」は2014年に現役を引退し、2018年に16歳で大往生。現在は実子たちがその血筋と役目を継承。
- 要点3:声優を務める名優・北大路欣也の重厚な演技と、樋口可南子や上戸彩ら豪華キャストとの絶妙な掛け合いが広告史に残る快挙を生んだ。
【真相】ソフトバンクCMの白い犬の犬種は柴犬ではない?北海道犬が選ばれた理由
画面の中で威厳を放つ白戸家のお父さん。多くの視聴者が「白い柴犬」と誤認しがちですが、正式なソフトバンクCM犬種は北海道犬(ほっかいどうけん)です。別名「アイヌ犬」とも呼ばれ、1937年に国の天然記念物に指定された由緒正しき日本犬の原種にあたります。
CM企画の立ち上げ当初、制作陣が求めていたのは「日本の頑固親父」のリアリティと気骨でした。小柄で愛玩犬的な可愛らしさが際立つ小型の柴犬に比べ、中型犬である北海道犬は骨太で首回りが太く、胸板も厚い体格を誇ります。真っ白で引き締まった精悍な顔立ち、媚びない眼差しが、どこか昭和の父親像と重なり、初代の主役に抜擢された経緯があります。
画面越しではサイズ感が伝わりにくいものの、実際の体重は20キロ前後に達することもあり、柴犬(約8〜10キロ)と並ぶと二回り以上大きく、堂々たる存在感を放ちます。
白柴とどう違う?天然記念物「北海道犬(アイヌ犬)」の性格と外見的特徴
白柴と北海道犬はパッと見こそ似ているものの、生物学的なルーツや身体的特徴を比較すると明確な違いが存在します。
北海道犬のルーツは、古くからアイヌ民族がヒグマ猟やエゾシカ猟の猟犬として共生してきた歴史にあります。過酷な北の大地の吹雪に耐えうるよう、硬く直立した上毛と綿毛のような下毛が密集した強固なダブルコートを備えており、耳はやや小さめで前傾した三角形、寒冷地に適応した強靭な肉体を持っています。また、舌に青黒い斑点が出る舌斑(ぜっぱん)が見られる個体が多い点も、北海道犬特有の識別ポイントです。
気になる北海道犬性格特徴ですが、極めて勇敢で警戒心が強い反面、心を許した主人に対しては命がけで尽くす「一代一主(いちだいいっしゅ)」の気質が色濃く残っています。見知らぬ人や他の犬に対しては距離を置く傾向があり、ペット初心者にはしつけのハードルがやや高い犬種としても知られています。あのCMで見せる冷静でマイペースな佇まいは、北海道犬特有の堂々とした胆力と、動物プロダクションによる卓越したトレーニングの賜物です。
初代お父さん犬「カイくん」の生涯と現在|引退後の暮らしと天国への旅立ち
白戸家を一躍国民的スターダムへと押し上げた最大の功労者が、初代お父さん犬を務めたカイくんです。
カイくんは2003年10月10日、北海道勇払郡むかわ町生まれ。2007年に白戸家シリーズがスタートすると、絶妙なタイミングで首をかしげたり、凛とした表情でカメラを見据えたりする天才的な演技力で日本中を虜にしました。本名はカイ、役名は白戸次郎(しらと じろう)。写真集やDVDが発売されるなど、人間顔負けの社会現象を巻き起こしました。
そんなカイくんの現在について気になっている方も多いはずです。カイくんは高齢となった2014年4月、惜しまれつつもお父さん役を引退。引退後は湘南の施設で穏やかな隠居生活を送り、のんびりと余生を過ごしていました。そして2018年6月28日未明、老衰のため16歳(人間換算で80代後半に相当)で静かに息を引き取りました。訃報が流れた際には、SNS上でお悔やみの言葉が溢れ返り、ひとつの時代を築いた名優犬の旅立ちを日本中が悼みました。
カイくんの血を引く「後継犬」たち|2代目へ受け継がれた白戸家の系譜
初代カイくんの勇退後、国民的キャラクターである白戸次郎の役目を誰が引き継いだのでしょうか。実は、そのDNAは実の血縁によってしっかりと繋がれていました。
カイくんが高齢期に入った2014年以降、カイくん後継犬として白戸次郎役を担ったのは、実子である息子の海斗(カイト)くんとカイキくんです。顔立ちや骨格はもちろんのこと、耳の角度や立ち姿まで父親であるカイくんに瓜二つ。制作現場でも違和感なくスムーズにバトンタッチが行われました。
動物タレントの世界では、撮影の負担を分散させるために同種・同毛色の複数の犬が代役(スタンドイン)を務めるケースが一般的です。白戸家シリーズでも、カイトくんを中心とした血縁ファミリーが互いの体調を考慮しながら撮影を支え合ってきました。偉大なる父の面影を宿した子どもたちが、長寿CMシリーズの屋台骨を守り続けています。
声優は北大路欣也!「白戸次郎」誕生秘話と豪華すぎる歴代キャスト陣
白い犬の愛くるしい見た目に反して、口を開けば重厚感たっぷりの野太い声で家族を一喝する――。このギャップこそが白戸家最大の魅力です。声を担当しているのは、日本を代表する名優・北大路欣也です。
起用のきっかけは、制作陣が「見た目は可愛い犬なのに、中身は昭和の厳格で威厳に満ちた大黒柱」という強烈なインパクトを狙ったことでした。北大路自身もこのユニークなオファーを快諾。単にアフレコを当てるだけでなく、犬の表情や細かい動きに合わせ、スタジオで真剣勝負の演技を吹き込みました。時に怒鳴り、時に家族を温かく見守る名演は、白戸次郎というキャラクターに魂を宿らせました。
脇を固める白戸家歴代キャストの顔ぶれも破格です。妻役の樋口可南子、長女役の上戸彩、兄役のダンテ・カーヴァーという不動の家族構成を軸に、過去には松田翔太、佐藤健、前田敦子、吉沢亮など、その時々のトップ俳優がゲストや親戚役として次々に登場。奇抜な設定でありながら家族の絆を描き続けるストーリーテリングが、長年にわたって視聴者を飽きさせない原動力となっています。
【ソフトバンク 白い犬 犬種】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:北海道犬は一般家庭でもペットとして飼うことはできますか?
A1:飼育自体は可能ですが、初心者にはやや難易度が高い犬種です。本来がヒグマと対峙する猟犬であるため、強い警戒心と独立心を持っています。幼少期からの社会化訓練や一貫した主従関係の構築、そして十分な運動量の確保が欠かせません。
Q2:CMのお父さん犬の名前は結局何と呼ぶのが正しいですか?
A2:作中の役名としては「白戸次郎(しらと じろう)」が正式名称です。一方、実際に演じていた初代タレント犬自身の白い犬名前は「カイくん」です。後継として演じている子どもたちには「海斗(カイト)」などの名前がついています。
Q3:なぜ父親だけが人間ではなく「白い犬」の姿をしているのですか?
A3:CM開始当初のコンセプトである「家族通話無料」をアピールするため、「どんなに奇妙で予想外な家族形態であっても家族は家族」という不条理なユーモアを表現した演出です。なぜ犬になったのかという決定的な謎については、作中でも様々なパロディや伏線が散りばめられつつ、明確な正解を明かさないシュールな世界観として愛されています。
まとめ:日本中を魅了し続ける白戸家お父さんが遺した偉大な功績
柴犬と間違えられがちなソフトバンクのお父さんですが、その正体は日本の豊かな大自然と歴史が育んだ天然記念物・北海道犬でした。
初代を務めた名犬カイくんの凛とした気品と、北大路欣也による魂の声。そこに家族のユーモラスな掛け合いが合わさることで、単なる企業のコマーシャルを超えた伝説的なカルチャーが誕生しました。初代が天国へ旅立った後も、その血統と精神は次の世代へと脈々と引き継がれています。街中やテレビモニターで白いお父さんの姿を見かけた際は、北の大地にルーツを持つその誇り高き歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 (出典: ソフトバンク 白い犬 犬種(Yahoo!ニュース))